CT検査

一昔前に使われていたCT検査機器は、X線発生装置1つに対して、検出器も1つしかありませんでした。しかし、近年では技術が進歩したことで、X線発生装置1つに対して、検出器が16以上も付く機器が登場しました（マルチスライスCT）。そのおかげで、昔よりも細かく、わずかな病変部位を見つけ出せるようになりました。
当院では、64列のマルチスライスCT装置を導入しています。逐次近似応用再構成機能「IPV（Iterative Progressive reconstruction with Visual modeling）」を導入することで、低線量かつ高画質の撮影を実現しています。IPVは、高い画像の質感を保ちながら画像ノイズを最大90％まで低減し、最大83％の被ばく量を軽減できる最新の設備機器です。

頭部CT検査

脳血管障害の度合いや、交通事故などによる脳出血や頭蓋骨骨折の重傷度、脳出血・脳梗塞、脳腫瘍や先天的な脳疾患（水頭症など）などをいち早く診断することができます。検査用ベッドに横になっていただくだけで受けられる検査で、時間がかからず、息を止めたりする必要もありません。

頚部CT検査

喉や扁桃腺、甲状腺、頸部リンパ節のような、超音波検査や胃カメラ検査では観察しにくい部分でも、正確に調べることができる検査です。撮影中に喉が動くと画像がブレてしまう恐れがあるため、検査中は少しだけ唾液を飲み込まないよう我慢していただきます。

胸部CT検査

気管や気管支、肺、縦郭（じゅうかく）などの胸部軟部組織を細かく調べることができる検査です。特に、肺がんの早期発見には適した検査です。一般の胸部レントゲン検査では見つからないような微細な病変を見つけることができます。一般のレントゲン検査で異常が無いと診断された方でも、喫煙経験がある方、受動喫煙の機会が多い方、ホコリの多い職場で仕事をされている方などは、自覚症状がないうちから定期的に胸部CT検査を受けましょう。
検査時には、食事の制限はありませんが、技師の指示に従って、大きく息を吸って止めるなどの動作をしていただく必要があります。

腹部CT検査

肝臓や胆のう、腎臓、膵臓、胃、小腸、大腸、子宮、卵巣など、腹部に存在する多くの臓器の状態を調べることができる検査です。検査を通して、これらの臓器に起こる疾患や腹水、膿瘍など、ガスの貯留、炎症状態などの診断に有効です。「腫瘍の腹部リンパ節への転移など」の発見においても有用性が高く、内視鏡検査と合わせて重要な検査です。
検査時間はたったの3秒～10秒程度ですが、呼吸によって画像がブレてしまうこともありますので、技師の指示通りに息を止めるなどの動作を行ってください。
食事の内容物が残ったままでいると、誤診する可能性が高まりますので、午前中に検査を受けられる場合は当日の朝食を抜いてからお越しください。午後に検査を受けられる場合は、朝食を早めに摂っていただき、昼食を抜いてから受診してください。詳細につきましては事前にお伝えしますので、指示に従ってください。